†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
そしてそのまま、逃がさない、とでも言
うように強く抱き締められる。
「こ、香坂……!」
「なに?」
「は、離して……」
「なんで」
「……っ、は、恥ずかしいの……!」
このままじゃ、ドキドキしすぎておかし
くなっちゃうから。
心臓が、壊れてしまう。
だけど、返ってきたのは、ふ、という香
坂の小さな笑い声と、意地悪な声だった
。
「……委員長、そうやって俺を焦らそう
とするなんて、いつそんな技術身に付け
たの?」
「ぎ、技術……?」
何を言ってるんだ、香坂は。話が噛み合
ってないんですが……。
「俺が離すと思ってんの?」
そう、意地悪な声を流し込んでくる香坂
。香坂の声はやけに熱っぽいから、耳が
くすぐったい。