†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
進級してから一週間。私はものすごーく
困っていた。
少し怒ったように香坂を呼べば、艶っぽ
い上目遣いで私を見上げてくる香坂。
「どうかした?」
……無駄にフェロモンを振り撒くのは止
めて欲しい。つい、「なんでもないです
」って言いそうになるから。
私は恐ろしい香坂のフェロモンを、ブン
ブンと頭を左右に振って蹴散らして、ま
た香坂を睨んだ。
「降ろして!」
「やだ。」
……そ、即答!?
こんだけ私が嫌がってるのに即答!?
「離してよ~っ!」
私はそう言って、足をじたばたさせて、
腰に回る香坂の手を叩いた。
けど、香坂がビクともせずに楽しそうに
笑ってる。