†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
最初は、クラスであんな風にくっつかれ
て皆の視線に耐えるよりは、二人きりの
方がマシだって思ったんだけど……。
いざこうしてみると、こっちの方が恥ず
かしい。
教室に居るよりも、ここでの方が香坂は
くっついてくるし、雰囲気も一段と甘い
。
それに、私と香坂以外に誰も居ないから
、息が詰まる。
甘ったるいこの空気に、溶かされてしま
いそうで……。
「……香坂、もう帰ろうよ」
「なんで?来たばっかりじゃん」
そう言うと、私の額にキスを落とす香坂
。
「……っ、いきなりキスしないで変態」
「俺が変態だなんて、最初っからわかっ
てた事だし」
「開き直んないでよ、バカ……」
ふて腐れるようにそう言うと、クスクス
と香坂が笑った。