†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
じめじめした空気が鬱陶しい、6月。
しとしとと降る雨。どんよりとした曇天
の中、俺の心も、そんな空と同じように
モヤモヤとしていた。
原因は委員長、と、その幼なじみ。
「希美。帰ったら今日、希美ん家行くか
ら」
「ん?うん、わかった!」
目の前で繰り広げられる会話。
ここだけ聞いてたら、なんか委員長と市
原がカップルみたいじゃんか。
ていうか委員長、隣に俺が居ること、絶
対忘れてるよね?
それから、委員長は市原と二言、三言交
わした後、俺を見上げた。
「ごめんね待たせちゃって。帰ろっか」
「……」
「香坂?」
何も言わない俺を不思議がって、そう俺
の顔を下から覗き込んできた委員長。