†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
その瞳に映っていたのは紛れもなく自分
で、そんな事実すら、すごく嬉しかった
。
だって、少し前までは、彼の瞳に映るの
は、私じゃなくて───。
私の大好きな春ちゃんだったから。
私は春ちゃんが大好き。女の私から見て
も、春ちゃんはすごく良い、極上の女の
子だと思う。
そんな春ちゃんと親友で居られることは
すごく誇りに思えたし、春ちゃんの嫌い
な部分なんて無かったけど。
たった一つだけ。
春ちゃんの傍に居るのが辛いって思う時
があったの。
───優希くんと出会ったのは、入学式
の日の事だった。
入学式の日、まだ見ぬ新しい世界に期待
を膨らませながら、淡いピンクの花びら
の舞う道路を歩いていると。
「ねぇ」
ふと、そんな声が聞こえてきて、トント
ン、と肩を叩かれた。
振り返った時に立っていた男の子は、ど
こかの王子様みたいで。