†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
「これ、落としたよ」
そんな彼が差し出してきたのは、私のハ
ンカチで。
「あ、ありがとうございます……!」
慌てて頭を下げてからそれを受けとれば
、ふわり、と彼は微笑んで。
見惚れてしまうような容姿も。
胸をくすぐる甘い声も。
全ての時が止まってしまうような、甘美
な微笑みさえも───全て。
全て、私の好みのど真ん中で。
そんな彼が同じ学校で同じクラスだって
知ったときは、すごく嬉しくて。
しかも春ちゃんっていう優しくて頼もし
い友達まで出来て。
幸先の良いスタートが切れてた、なんて
すごく幸せだったんだ。
「もー、ほんっとに棗がムカつく!」
ひょんなことから、杉本くんと家族にな
ってしまった春ちゃん。