†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
「あのね……、怒らせちゃった……」
ヒック、と嗚咽を洩らしながら、そう声
を押し出した柏木。
誰と、なんて、聞かなくてもわかった。
「……杉本と?」
そう尋ねれば、コクンと頷く柏木。
わかっていた筈なのに、いざそれを突き
付けられると、胸が鈍く痛みを伴った。
いつだってそうなんだ。
柏木の素顔を引っ張り出すのは、いつだ
ってアイツだけなんだ───。
それが未だに、苦しい。
「今日ね……、私、酷いこと言っちゃっ
たの」
「……うん」
「棗のクラスに行ってね、棗を呼んでも
らおうと声をかけた男の子が偶然知り合
いで結構仲の良い男の子でね」
「うん」
なんかちょっとだけ結末がわかってきた
ぞ……?