†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
お互いの吐息さえも明確に伝わりそうな
その距離に、思わず息を呑む俺。
ち、近すぎだろ……!
「……あのね、やっぱりアピールが足り
ない?」
「へ?」
俺をジッと覗きこんで、そう首を傾げた
北野。
あ、アピール?
「……こんなアピールじゃ、私があんた
を好きだって、伝わらない、かな」
そんな北野の言葉を理解するよりも先に
、「今の忘れて!」なんて北野は顔を真
っ赤にして叫んで。
俺を一人で取り残して、去っていった。
「……へ?」
なんだ、それ。
いくら鈍感な俺でも、さすがに気付いち
ゃったよ。
「……音夜じゃねーのかよ?」
ていうかどこらへんがアピールポイント
だったんだよ。
そんな俺と北野が付き合うのは、そう遠
くない、未来のお話。
【END】