†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
俺は先輩に向き直って、ちょっと困った
ように笑って見せた。
「……先輩。俺、言いましたよね?もう
遊べない、って」
かなえと付き合えることになってから、
全ての女との関係を断ち切った。
もちろん、先輩とも。
「じゃ、付き合おうよ」
「いや。俺、彼女居るんで。それに先輩
、約束したでしょ。お互い、めんどうな
事はなし。その場限りの関係って」
「……そんなの…。本気に、してなかっ
たもん!」
急に涙ぐみながら、そう怒鳴った先輩。
その瞬間気づいた──ああ、この女、ハ
ズレだ。
俺が関係を持っていた女は大抵、お互い
割りきった、その場を楽しむだけの軽い
関係。
だけどごく稀に、軽そうに見せかけて実
は本気だった、っていうめんどうな女が
居る。
先輩は、まさにそれだ。