†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
「じゃあなんで無視すんの?」
かなえは俺の手から逃れようと手首を左
右に振るけど、俺の方が断然力が強い。
「別に……、澪と帰りたかっただけ!」
「嘘つき。俺と帰りたくない、の間違い
だろ」
そう言うと、図星だったようで、ピクッ
と反応するかなえ。
心なしか、その瞳が泣きそうだった。
「澪ちゃん。悪いけど、かなえは俺が連
れてくから」
俺は澪ちゃんにそういってから、かなえ
の手を引っ張った。
───ダンッ……
人気のない廊下まで来て、かなえを壁に
押し付ける。
それから、かなえを見下ろした。
「いきなり何なの、かなえ」
「別に、なんも───んっ……!」