苺な彼女と、エスカルゴな彼。

エピローグ

「イチルちゃん」

「ん?」

「僕、エスカルゴ食べたんだけど、」

「美味しかったでしょう?」

「あ、うん。すごく美味しかったけど、」

「けど?」

「何というか、気に食わない…」

「?」


「僕はカタツムリで、あいつが正義のヒーローなのが、…気に食わない」

「あいつ?」

「…図書室でイチルちゃんと一緒にいた男」

「ああ、日野くんのこと?」

「そう、そいつ」


「わたしは、うりトラマンよりエスカルゴの方が好きだよ?」

「う…うん、ありがとう?」


「トモキくんって、やる時はやる人だよね」

「え…うん」

「セックスのヤるじゃないよ?」

「わ、わかってる」


「いつもは弱気なんだけど、結局は助けてくれる。それがね、カタツムリっぽいかなあって」

「うーん…」

やっぱりイチルちゃんは、独自の世界観を持っている。

それを少しでも共有したい気持ちはあるんだけどなあ。


「まあとにかく、」

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