苺な彼女と、エスカルゴな彼。
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「あら、イチルちゃんが来てたなら苺、買っとけば良かったわね」
仕事から帰ってきて早々、母さんは僕の顔を見るなり、残念そうに呟いた。
ちなみにイチルちゃんは1時間程前に送り届けた後で、僕は別にイチルちゃんが来たとは言っていない。
でも、こうやっていつも母さんにはバレる。
母さん曰く、
『女手一つで何年見てきたと思ってるの。あんたの顔見りゃわかるわよ。この幸せ者めっ』
僕の父さんは僕が小さい頃、余所に女の人を作って出て行った。
ひいき目なしに、美人で何でも出来る母さんを放って出て行ったなんて正直最初は信じられなかったけど、今では受け止めているし、母さんには感謝しきれないほど、感謝をしている。
「ちゃんと避妊はしたのー?」
けど、今日のようにニヤニヤしながら、平気で下ネタをぶっかますのは勘弁してほしい。
…というか、僕ってそんなに顔に出てる?