苺な彼女と、エスカルゴな彼。
うりトラマンな彼
それから何日か経ったある火曜日のこと。
「トモキくん、おはよ」
「おはよう。イチルちゃん」
朝から僕はイチルちゃんの教室にお邪魔していた。
イチルちゃんはどうやら学校に着いたばかりらしい。
薄ピンクと淡い緑の色が入ったリュックがまだ机の上に置いてあった。
僕たちの登校は別々だ。
というのも、イチルちゃんも僕も中学校区は違えども学校からそう遠くない距離に家があるから。
一緒に行きたい気持ちはあるけど、僕には"ケンタ"という腐れ縁のやつ、一方イチルちゃんには"カエデちゃん"という登校を共にするお友達がそれぞれいるからだ。
それに、帰りは一緒に帰ることになっているっていうのもある。
そんなことを思い出していたら、うっかりここに来た目的を忘れるところだった。
「今日の帰りなんだけど、先週担任に呼ばれてるの忘れちゃってて。今日行くんだけど、イチルちゃんはどうする…?」