苺な彼女と、エスカルゴな彼。


「うーん…確か担任って、欽(きん)ちゃんだよね?だったら多分30~1時間くらいで終わるだろうから、図書室で待ってる」

「え、いいの?」

僕がびっくりしたように言うと、イチルちゃんは何で?といったように首を傾げた。




「ちょうど借りたい本があったから、それ借りて図書室で読んでることにするね。それにトモキくんと一緒に帰るの楽しみだから待っていたいんだけど、駄目かな?」

「ううん!そんなことない!」

…何だ、もう。

イチルちゃんめ。可愛すぎるよ。
心臓、壊れちゃうって。



思わずキスしたい衝動に駆られるけど、ここが教室だということを思い出して、頭をいいこいいこするだけで留まらせた。




「寄り道して"みつや"のあんみつ食べて帰ろうね」

「うん。あそこのあんみつ好き。楽しみにしてるね」


そこでちょうど予鈴が鳴ったので、僕は後ろ髪引かれる気持ちでイチルちゃんの教室を後にした。
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