ハニィ*sweet*ボイス
こんなあたしを、アユミは異常だと言う。



だけど日浦の声は、たまらなくあたしを溶かす。



あんまりしゃべってくんないけど~。



そんなある日、いつも通りの遅刻。



たぶん体育だろうから、教室は誰もいないだろうなぁ~なんて思いながらドアを開けた。



そこにあったもの。



うっすらと割れた腹筋。



制服のズボンの少し上に見えてる、パンツ。



手にしてるジャージ。



かきあげられた前髪。



机の上に置かれたメガネ…。



見たことがある極上のイケメン。



「見た…?」



やたら好きなあの声。



あのぉ~…。



「誰っ!?」

「誰って…」

「ひ、日浦…?」

「まぁ」

「ウソ…でしょ!?あたしまだ寝てんの!?」

「寝てる寝てる。夢だ。見なかったことにして忘れろ」



違う。



夢じゃないもん。



その声に溶けそうだもん。



「えっと…誰だかわかっちゃった感じ?」

「わ、わかっちゃった…」



隣のメガネ係長の正体。



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