ハニィ*sweet*ボイス
わかっちゃった…。



「歌手のアラシ…」

「人違い。ってことで」

「違わないよっ!!あたし大ファンだもん!!そっか…、だからか…」



だから日浦の声があんなに好きだったんだ…。



ん…?



日浦の名前って…。



「名前、アラシじゃなくない?ランじゃなかった?」

「本名は嵐って書いてランだ」

「ソレでアラシが芸名なんだね~!!」



って、違うっ!!



何で今をトキメク超売れっ子高校生ミュージシャンがあたしの隣にいんの!?



あたし、めっちゃCD持ってるんですけど!!



「うざっ…」

「何がっ!?」

「お前の顔が」

「なっ!?」

「マジうるせぇし。このこと、他言無用だからな」

「えっ、ヤダよ。超大スクープじゃん」



そう言ったあたしに、シャツを羽織りながら近づいてきた日浦。



なんかさっきから違和感だらけなんだけど…。



ってかカッコヨすぎんですがっ!!



「そっか、言っちゃいたいんだね~」

「言っちゃい…たい」

「まず、ドア閉めろよ」

「は、はいっ!!」



後ろ手で咄嗟に教室のドアを閉めると、トンッと肩を押された。



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