気分屋は如何ですか?
「ユキナ君また妄想?」
「い、いいいいつの間に後ろに居たんですか?!」
本を片手にニコリと微笑むチトセさん。
彼の手元を見ると中身がないカップを持っていた。
「あ、コーヒーですか?ちょっと待って下さいね」
私はすぐにコーヒーの豆がある棚へ向かった。
私がいつもみたいにコーヒーの準備をしていると・・・
「ユキナ君前から思ってたけどさ、」
「はい?」
「別に市販のコーヒーでもいいよ?」
「え?」
準備していた手を止めてチトセさんを見る。
私より背が高いチトセさんを下から見上げる姿になる。
「わざわざ本格的な作らなくても・・・」
「き、嫌いでしたか?」
思わず不安な声をする私にチトセさんがピタリと固まる。