気分屋は如何ですか?
依頼1
「お客様来ませんね」
「ん~来ない方がいいんじゃない?」
「チトセさんっ!またそう言って・・・だいたいせっかく依頼に来たお客様をお断りして帰らせているのはチトセさんなんですよ!!」
「あ、クッキー食べたいなぁ。ユキナ君ある?」
「はい。今持っていきますねっ!」
あ・・・また、話を逸らされた。
もうっ!何回この手に騙されているんだ私!
自分の馬鹿さに反省しながらもチトセさんに持っていくクッキーをお皿に出す。
「チトセさん、どうぞ――――・・・えぇ?!」
「こ、こん・・にち、わ」
チトセさんにクッキーを持って行くとそこには雰囲気が静かな猫背の男がソファーに座っていた。
「こんちにわ。え、えーっと、こちらの方は?」
いきなり現れた男に動揺した私はチトセさんの方を向いた。