太陽のような君へ
私は薮本くんにお礼を言った。


「ありがとう・・・薮本くん」


 なぜか、薮本くんと話すのが恥ずかしい。


「なんで?お礼なんていいのに!」


 と、薮本くんは微笑みながら言った。


「ってか呼び名、カズで良いから!」


「え・・・」


「何かあったら俺呼べよ!」


「うん・・・」


 あんなに男の子と話したの、初めて。


だって、前までそんな子、いなかった。


いなかったんじゃない。


出会わなかったんだ。
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