セイギ
水野は私に見詰められたことにびっくりしたのか少し口ごもりながらこう答えた。


「えっと…あの…、前にこの近くに住んでたことがあるんですけど、ここは多分空き地になってると思うんです。親に聞いたんですけど、前にマンションはあったらしいんですけど区画整理か何かで俺が生まれる前に取り壊されたらしいんです。」




「ということは大山希子という女性は嘘の住所を書いて車を購入したってこと?」



「多分そうだと思います。」



「…そう。分かった。とりあえずこの住所のところに行ってみましょ。」



そう言うと再び歩き出した。



10分後、その住所の場所に着くと水野の言葉通りそこは空き地になっていた。



私は携帯を取り出し、佐伯に電話を掛けた。


「あ、佐伯?今、水野と車の購入者である大山希子という女性がバイヤーに伝えた住所のところに来てるんだけど嘘の住所だった。私たちはこれから大山希子が今どこにいるか調べる。そっちはそっちで頑張って情報つかんで。」



そう言って電話を切る。




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