セイギ
私たちは一度会議室に戻った。



櫻井管理官に広尾さんが見つかった時のことを報告した。



「…そうか。状況はよくつかめた。明日の会議ではこのことも話題になるだろう。その時は情報提供よろしくな。」



そう言いつつ私の肩を叩く。



「はい。」


そう呟くと会釈をし、会議室を出た。




その後、自分のマンションに向かって歩いている時、後ろから足音が近づいてくるのを感じた。




振り向くとそこには佐伯がいた。




「すごい考え事してるようでしたけど大丈夫ですか?」



「うん…。何か人ごとに思えないなって思って。広尾さんがどういう気持ちで死を選んだのかはわからないけどやっぱり嘘をついてるっていう自分が許せなかったんじゃないかって思うの。さっき皆が帰った後、もう一回管理官から呼ばれて。広尾さんは野々村さんをかばっていた。後、過去に殺されかけた経験があると思ってたけど、実はあの野々村さんが殺される前にあってたの。」



そう言うと近くにあったコーヒーショップを指さす。

「寒いから何か飲みましょ?コーヒーでいいわよね。」


2人分のコーヒーを頼むとさっきの話の続きをした。
< 20 / 31 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop