セイギ

「え?大丈夫よ。私はそんなにヤワじゃない。よし、そろそろ行くわ。」



そう言って立ち上がった。




店を出て図書館に向かう。




1年前の事件についてあの2人の名前を揉み消した理由を知りたかった。




何かやましいことでもなければそんなことをするはずがない。




絶対に変だ。私はその理由が知りたかった。





調べて行くうちにとんでもないことが分かった。




2人は密輸入を繰り返していた常習犯で警察から目をつけられていた。




それを知られたくなかったのだろう。



初めにマル害の話をした時に名前を言った瞬間の管理官の顔をじっと見つめていた刑事部長の顔をはっきりと覚えている。



名前は出してほしくなかったのだろう。でも被害者である以上は言わなくてはならない。