セイギ
広町交差点に着くとそこには辰巳と水野と西村がいた。


「で、そのワンボックスカーを見たのはどの人?」



私が質問すると辰巳が


「そこのカフェの店員で神谷理子さんです。」


その言葉とともにカフェの制服を着た髪をアップにした女性がお辞儀した。



「神谷さん、その車を見た時の状況を教えてもらえますか?」




「はい。その車は猛スピードであっちの第一ビルの方からこの交差点を突っ切って走り去って行きました。あまりにもすごいスピードだったんでこの店に突っ込むんじゃないかってひやひやして。」



「そうですか。その時に運転してる人は見ましたか?男性でした?それとも女性?」



「確か…女性だったと思います。髪が肩ぐらいの長さで、なぜか車内なのに手袋をしてました。」


「手袋…ですか。それはこういうものでしょうか。」



そう言って自分が捜査の時に使う手袋を見せる。

「遠くからだったのでよく見えなかったんですけど、そう言うのだったと思います…。」



そう囁くと下を向いてしまった。


「分かりました。何かあったらまたご連絡ください。連絡先はこの名刺に書いてありますので。申し遅れました。私は捜査第一課の月野と申します。こちらは私の部下の佐伯と申します。では、失礼します。」
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