永久の宝物
~卓哉side~


ーーーーーーガラッ

「愛、遅れた。ごめん。」


病室に入ると、愛は眠っていた。

今日は色々することが多くて、来るのが遅れてしまった。


ふと、点滴を見ると…抗がん剤に変わっていた。


そうか。今日から始まったんだ。



俺は静かに、愛の手を握った。


と、その時

「あ、卓哉。来てくれたんだ?」

愛が目を覚ました。


「おう。当たり前じゃん。気分どう?」


「うん、悪くないよ」



ニコッと微笑む愛。

確かに、調子は良さそうだ。
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