永久の宝物

けど、それはこの日だけで…それから愛はどんどん弱っていった。



「…はぁ…。…。」

俺が病室に来ても、たいてい寝ている。起きていても、横になったままだ。


「大丈夫か?」

俺には背中をさすってあげるくらいしかできない。


「…ごめん…、あり…がと。」


苦しそうに肩で息をする愛を見ていると、辛くなってくる。


俺が…変わってやれればいいのに。

何度そう思ったことか。



「…ぐっ!」

そして、抗がん剤の副作用で嘔吐も多々ある。

「…ゲホッ……はぁ…はぁ……。」



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