永久の宝物
そう怒鳴ると、卓哉は優しくあたしを抱き寄せた。
「怒鳴ってごめんな?けど、俺絶対お前を離したくない。この手を離したら、お前がどこかいってしまいそうで、怖いんだ…。」
肩を、暖かいものがゆっくりと濡らしていく。
卓哉が、泣いていた…。
「…俺、これ言わないでおこうと思ってた。」
「…え?」
「でも、やっぱり言う。俺、医学部へ編入することにした。医者になって、お前を助けるから。」
…なんで、そんなに優しいの?
あたしも涙が溢れて止まらなかった。
「ありがとう。ありがとう、卓哉。」
あたしから離れて、あたしを見つめる卓哉は優しく微笑んでいた。