永久の宝物
ーー1ヶ月後
ガラッ
「愛!退院おめでとう!」
「卓哉!」
卓哉は病室に駆け込んできて、あたしを抱き締めた。
先生が、完治も夢じゃないといったあの日から約1ヶ月過ぎた。
まだ完治はしてないけど、大分良くなったってことで、通院で良くなったんだ。
「愛、帰ろう。早く。」
そそくさとあたしの荷物を持って、卓哉が急かす。
「待ちなさいよ。彼女のことも待てないわけ?」
わざと意地悪く言ってみる。
一瞬卓哉は驚いたようだったけど、すぐ微笑んだ。
「やっと愛に戻ったな。」
嬉しくて嬉しくて、また泣きそうだったけど、我慢した。
強がってるくせに、泣くとか反則だし。