永久の宝物

「…あ、卓哉…。」

部屋に戻ると、愛が力なくほほえんだ。

こんな時まで笑ってるなんて、愛らしい。


「…ねえ、愛菜に会わせて?」

今日は熱はないらしく、ろれつは回ってる。

俺は静かにうなづいて、愛を車いすに乗せ、愛菜のもとに連れて行った。


「…あ、愛菜…。」

愛菜はすやすや眠っている。この前生まれたばかりなのに、少し大きくなったように見える。
< 285 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop