永久の宝物
卒業
「バイバーイ」
あたしが手を振ると、卓哉も手を振って自転車をこいでいった。
ーーガチャ
「ただいま…。」
あ~あ、そうだった。
先週から独り暮らしなんだった。
ーーーー先週末ーーーー
「アメリカぁ!?」
「ああ、急な転勤でな。」
いきなり、お父さんからアメリカへの転勤の話を聞かされた。
「あたし、行きたくないよ?こっちの大学行きたいし!」
「う~ん、あんたなら、そういうと思ったのよね。」
お母さんが続ける。
「いいわよ、あんたはここに残って。お母さん達だけでいくから。」
…えぇ~!?
「娘をおいてくの~!?」
「だって、あんたこっちがいいんでしょ?」
…そう、だけど…。