永久の宝物
頭の中は真っ白だった。
映画やドラマでしか聞いたことのないような、病名…白血病。
「で、でも…治るん…ですよね?」
あたしのその質問に、先生は困ったようにうつむきながら答えた。
「…今紀野さんは初期です。治療を続けたら、なおるかもしれません。…でも、この病でなおらなかった方もいらっしゃいます…。」
「…死ぬ…んですか?あたしは…。」
恐怖で声が震える。
すると、先生があたしの肩に手をおき、優しくいった。
「あなたはまだ若い。頑張ってなおしましょう。」
先生の目はまっすぐあたしを見つめていた。
真剣だった。
「…分かりました。」
このときあたしはある決心をした。