カップルじゃない!コンビとお呼びっ
俺の言葉を遮って発せられたのは、信じられない言葉だった。

「・・・」
「噂は噂。噂ほど当てにならないものはない。私情が入るから」

驚愕して言葉もでない俺を横目に、平原は話し続ける。

「ひとつの出来事も、それを見ていたひとによって変わる。キミの噂もそう」

どういうことだ・・・?

「火のない所に煙は出ないと言うけれど、キミに抱いてる感情によって印象は変わってくる。でも、正解はキミにしか分からない・・・だろ?」

この時、俺は自分にずっと長い間乗っていた重りが、ストンと降りるのを感じたんだ。
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