お前むかつくねん

島田は、びっくりして振り返った




『…えのき』




『ちょっと話せる?』




『…あーいいよ』



『…私、全然気づかなくて。この前、無神経に話しかけてごめん。こんな私を好きになってくれるなんて、思ってもいなくて。島田は一年から仲良くしてくれて、本当に大事な友達。だから、島田さえよければ、前みたいにまた一杯話したり、笑いあいたい』




『…俺も、なんかあんなださい形で思いを伝えたから、なんかどうしたらいいかわかんなくて。普通に話したいのにできなくて。…だから、俺から声かけなきゃいけないのに。話しかけてくれてありがとうな』



『うんうん。私も島田は、篠田を好きだとばっかり思ってたからさぁ、あんなふうに話かけちゃってさ』




『え…?俺が篠田を…?まじかよー、えのきらしいなぁ。そっかぁ、だからあんな話かけだったのかあ。えのき慣れてんだなって思ってたよ、そっか』




お恥ずかしい限りです


そんな慣れてるわけないし

知ってたら、テンパって、どうしたらいいかわかんないって




『えのきっ!あんな形で不細工な告白しかできなかったから、ちゃんと言わして欲しい。で、ちゃんと、えのきの気持ち聞かして欲しい』



え?島田?
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