お前むかつくねん

『で、ずっとあの調子?』



『昨日こそ、ほぼ寝れなかったみたいで、今爆睡中よ』


『梅ちゃんが呼び出すから、何かと思ったら、ハッピーバレンタインじゃなかったわけね』



『やっぱ要注意だったね、小坂』



『でも、彼氏いるんでしょ?篠ちゃんは知らないのかしら?ミッキーと付き合ってるんだから、断ったと思うけど』



『鈴木は、カムフラージュでしょ。好きなのは篠田で、久々に再会して想いが、とめられなくなったんでしょ?』



『目を覚ましたら、とりあえず奮起さして、事実確認させなきゃ始まらないでしょ。篠田と話すのが一番だしね』



『チョコも頑張って作ったの、渡せてないし。馴れないラッピングまでしたのに』



『それだけに、落胆が大きいわけか。キスしたと喜びで倒れたのが、この前とは思えないね』



『まぁ、色々あるのが恋愛。乗り越えてこそ、究極の愛を手に入れるのよ』



『なぁに、梅ちゃんは、手に入れたわけ?』


『手に入れてないから、今だに一人なんじゃない?』



『…ぶつよ…。手に入れたこともあったわよ。そう、あれは…』



あれ?

ここどこだっけ?

あー、梅ちゃんとこ。


うん?玉子に鎌吉?



『あっ、長い眠りから冷めたね』



『姫、お気分はどないですか?』
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