お前むかつくねん

『寒くないか?』

念願の放課後、篠田の第一声は優しい一言だった
やらしくなく、計算でもなく自然と言える人って本当に素敵ですね

『うん、大丈夫。篠田は?』

『俺!?…緊張してるからかな、熱いや』


緊張!?私もでちゅ
ドキドキするね
不思議やな、何日か前まではただの友達やったのに、今は超意識してる


『……』
『……』



なかなか会話が見つからなくて、ドキドキって音が聞こえそうな、照れ臭い沈黙ってわかるかな!?

テスト勉強してる?とか、今日の授業の事とか、私が来てすぐいなくなったから、帰ったのかと思って、ドキッとしたよって、照れながら言う篠田に、可愛いと思いながら、ポツポツ話したけど、もっと聞かなきゃいけない、聞きたい事は一杯あるのに、なかなか聞けない…

一つわかったのは篠田はチャリ通って事、今は私を駅まで送ってくれてるm(__)m


もうすぐ着いちゃうのにこれでいいの!?

昨日の篠田より今日の篠田100倍知った?
…殆ど知ってないじゃん
こんなにこんなに近くにいるのに、こんなにこんなに話せないもんなの?


梅ちゃんが言ってくれた言葉が浮かんだ

『今日は…素直にって感じね。ありのままのミッキーでぶつかればいいんじゃない!?』


ありのままの私か…

今の私は…緊張してて気が狂いそう
でもでも…篠田の事もっと知りたい
もっと一緒にいたい


『…篠田っ』
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