お前むかつくねん
私はまだ着物姿のまま、梅ちゃんのプライベートハウスにお邪魔している
正月に店休みな梅ちゃん
一人淋しい正月を過ごす梅ちゃんの元にやってきた
『寂しくないわよ、正月は遅くまで寝て、昼からゆっくり一人酒を飲むって決めてるの』
またまたぁー、強がっちゃってぇ
『毎年の恒例なんだけど』
んなこといってぇ
『明日から、私は道子と旅行だから泣いて来てもいないんだからね』
はいはい道子ね
梅男の双子の妹
んとうに親不幸な兄弟よねぇ
いい歳でどっちも嫁いでないなんて
毎年二人で温泉旅行なんて
なんとも寂しい
『今年は二人とも男いないのよ、たまたま。
私はいつだって嫁ぐ準備はできてんだから。
って私よりあんたの話でしょ。話すり替えないの』