むかつくアイツっ!
「自分で切ればいいじゃん。」
「え、それは自信ない。」
国枝からでた思いがけない一言。
こいつでも自信なくすことなんかあるのか。
「でもそれ目ぇ悪くなるぞ。そしたらメガネとかコンタクトとか。余計にお金かかるぞ。」
「…。それはそうかも。」
うーん、と国枝が悩む。
どんな難問にも顔色ひとつ変えずに卒なくこなすから…
国枝の悩んだ顔なんてはじめてみた。
その悩みが前髪なんて。
そう考えて、可笑しくなって俺は笑った。
「人の顔見て笑わないでよ。」
国枝はそんな俺になんて少しだけこっちをみていった。
前髪切った方が絶対可愛いのに。
なんて普通に思った自分に気がついて頭をぶんぶんとふった。
そんな俺を不思議そうに国枝は見ていた。