あいことば


「……あたしは…」



そう言ってあたしはうつむいた。



グラスのアイスをじっとみる。







「………だって…

亮ちゃんはー……」



あたしは小さな声でつぶやいた。




「? 兄貴が?」



「うぅん、何でもない!

それより、

あたしが、駿くんがしんに告りやすくしてあげる!」




「……何する気…?」




駿くんが疑いの目を向ける。



「そんな目でみないでよ!

あたしさ……

この前、先輩とモメたときにしんにヒドいこと言っちゃったんだ…。


『恋したことがない』

って。



しん、あたしに気を使って何も言わないけど、

実際、傷つけちゃったと思うんだ。


しんも、恋したことがないはずはないのに……」


< 108 / 365 >

この作品をシェア

pagetop