あいことば


「…朝倉!」



境内のところは、人が少なかった。


境内の所は木が多くて花火が見にくいからだろう。


あたしの姿が見えると、萩くんは嬉しそうにあたしの名前を呼んだ。


萩くんは照れながらもにっこり笑った。



「ごめんな、いきなり呼び出して。」


「うぅん、大丈夫だよ。」


「「……………」」




それから、2人とも無言になった。



「じゃあ、はっきり言う。

オレは……」





あたしは、その言葉の先が分かってしまった。




「…朝倉が好きだ。」




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