あいことば
あたしがそんなことを思い出してさらにうつむくと、それを見た亮ちゃんが手をのばしてきた。
あたしのセットされた髪を片手でぐしゃぐしゃっとした。
「ちょっ、ちょっと!
せっかくセットしてもらったのに~!」
「まぁ、もう帰るだけなんだからいいって。
それより、今日は何か頑張ってんじゃん。
…好きなヤツでもできた?」
亮ちゃんがいきなりそう言った。
亮ちゃんの言葉に、あたしは意識をしていなくても「えっ!?」と大きな声を出してしまった。