あいことば
「これ、お母さんから。
ひとみさんに渡しといてくれる?」
そう言って紙ぶくろを持ち上げた。
「もしかして、赤飯かな!?
しんのお母さんが作る赤飯はマジ上手いんだよな。」
そう言って駿が紙ぶくろを受け取った。
今日は朝から機嫌がいいらしい。
機嫌が悪いときの駿は、ほんとにぶすっとしてて表情がない。
紙ぶくろだけを渡して、あたしはさっさと学校に向かった。
「ちょっ、まてよ!」
後ろで駿の声がする。
でも、紙ぶくろもったままの駿はすぐにはおってこれない。
…ーばーか。
昨日のことがまた思いだされる。
あんなこと言ってたから、今日は待ってやんない!
そう思い、あたしは足早に学校へとむかった。