あいことば
体育館からは、部活動生の声が聞こえてくる。
中に入り、まおと手分けして探す。
一通り見終わったあとにまおと合流した。
「まお、いた?」
まおが首を横にふる。
体育館にもいない。
……ーどこ?
「体育館裏を見てみよ!」
まおの言葉に賛成し、2人で再び走りだした。
体育館裏は、人がいなくてひっそりとしてた。
りんの姿も見当たらない。
「りん!りん!」
まおと叫ぶけど、返事も聞こえない。
「もぅどこいっちゃったのー……」
まおがそう言って、へたりとその場に座りこんだ。
あたしも、りんがどこにいるのかわからない。
焦りのみがつのっていく。
頭のなかでは、悪い想像ばかりが駆けめぐる。
どうしていいかがわからない。
そう思って、半泣きになっていたときだった。
がしっと肩をつかまれた。