あいことば
さっきまでは、なんでか知らないけどふてくされてたのに、今じゃあたしをしっかりと引っ張ってくれてる。
何だかんだ言いながらも、駿はいつもあたしを助けてくれる。
…駿は甘い。
売店が見えてきた。
自然と走るスピードが早くなる。
売店にくると、売店の建物の裏からかすかに声が聞こえた。
「裏にまわるぞ。」
駿がそう言って売店の裏にまわった。
続いてあたしもまわる。
そこには、りんと、りんを中心にして4人の先輩が立っていた。
その場の雰囲気がかなり怖い。
「…りん!」
あたしのその声に、りんと先輩がばっと振り向いた。
先輩があたしをにらみつけてくる。
あたしは、負けないようにと視線を外さない。
あたしだけじゃなくて、駿もまおも来ていることに気づいた先輩が、ちっと舌打ちをしてりんのそばを離れた。
そして、あたしたちの横を通って去っていく。
去って行く間際、一瞬1人の先輩の顔が見えた。