まばたきの恋



乙女心なんて気まぐれなものだ。


ガールズトークなんて洒落た名前付けちゃって。


その中身は、色恋沙汰と愚痴の二択なのにね。


みんな似たような人を好きになって、似たような付き合い方をする。


そして、似たような理由で別れてしまう。


耳にたこができるほど辺りにのろけ散らしているかと思うと、飽き足りてしまえば経験値を語って3日でへらへらしている。



人を好きになることってそんなに簡単なことなの?



現実って、少女漫画のようにそうそう甘くはない。



休み時間の度に口を開けば別れた男の愚痴ばかり。


つい最近までどんぐりの背比べみたいに、彼氏自慢大会を開いていたのに。



一度は恋焦がれた相手に、どうしてそんな酷いことが言えるのだろう。



そんな乙女心なんか。くそくらえ。



あたし、桐谷七菜子(きりたにななこ)には曲げられないポリシーがある。



心が醜くなるくらいなら、恋なんて絶対にしない、ということだ。


< 2 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop