大好きだったよ。
スイスに着いたら


見慣れない髪の色の人がたくさんいて、


見慣れない目の色がたくさんいる。

やっぱりお父さんの姿はなかったし、

住所を連絡してくれただけ。

ちょっとしか分からない英語で


話しかけてみる。


でもさ、


あんまり通じないんだよね。


切っていたケータイの電源を入れて、


お母さんに電話した。

「もしもし?お母さん」

『...海潮?ほんとに来たの?』


「うん。そんで今、空港なんだけど...」


迎えに来てくれたりする?


なんて、言おうとしたけれど。





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