大好きだったよ。
こんなの海のじゃないよ?


海はこんなに優しくないもん。


もっと強くガシガシ撫でてくれるんだよ?


でも、ちょっとだけ優しくて、


たまに優しくなるんだよ?


「違う...違う」


ただただ呟いていた。


エレンちゃんがあたしの頭から手を離したとこで、


また、ケータイが震える。


「...海?」


その通り、ディスプレイには“海”の文字があって。


「You get?」


エレンちゃんはケータイを指差す。


「...うん」


思い切って、通話ボタンを押した。


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