大好きだったよ。
どろどろに溶けた物体に、


色んな人がやってくる。


全員日本人だった。


全員泣いていた。


その中に、

あたしもいた。


あたしも、泣いていて。


何も、音がしなかった。


みんなの泣き声で埋まってはずなのに。


そして、


聞こえた。


聞き飽きてしまった、


自分の声が。


それだけが、聞こえてきた。


< 187 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop