大好きだったよ。
海の体があったかい。


すっごく安心する。



「帰ろっか」


「うん」


立ち上がるための支えに差し伸べてくれた手は、


本当に支えにしかならないんだ。


立ってしまえばもうその手はポケットの中にしまわれた。


「ねぇ、何でここにいたの?」


「あぁ、姉貴にパシられて買い物来てた」


「へぇ...ありがと」


「いえいえ」


袋を持ってくれる。


「あぁ、いいよ。あたし持つ」


「いいって。大丈夫」


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