大好きだったよ。
しばらくして、また扉が開く音がした。


涙を止めようとはしたけれど、


そう簡単には止まってくれなかった。


「...海潮?」


海に見つかってしまう。


たくさん目を拭って、涙の痕を消した。

「何?」

「目、赤い」

「赤くないよ。大丈夫」


笑顔を作って、


「眠くなっちゃった。寝るね」

立ち上がる。


笑顔を作ることなんて、...もう慣れた。


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