大好きだったよ。
気づかれないように。


背中を向ける。


「お前...」


もうすでに心臓はどうにかなっていて。


うるさいと叫びたいぐらいに暴れてる。


「...寝るね」


なんで、こうにも強がるんだろう。


なんで、こうにも意地を張ってしまうんだろう。


「ちょ...」


あたしがいけなかったんだ。


いつだって、海が近くにいてくれるもんだと思ってたんだ。


海は人形じゃないのに。

何をしたって、ここにいてくれるもんだと思ってたんだ。


それが、いけなかったんだ。


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