大好きだったよ。

突き放し突き放される

「何が?」


「...色々」


海の顔は見えない。

だけど、声で、怒ってるのが分かって。


「...そ」


今度は海の番なんだ。


海があたしを突き放す番なんだ。


謝ったって無駄なんだ。


「おやすみ」


そうやって、勝手に解釈して


素直じゃなくなるんだ。


あたしは、素直じゃない自分を信じて、


部屋に戻る。


ベッドに入って、


目を瞑って、


頭を真っ白にして


それだけで、一生懸命だった。


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